「ますこっとれいん」シリーズでは、車体の各部，屋根，ガラス枠などのパーツに彩色が施されています。
また、屋上機器などのパーツは、成型色のままで彩色されていません。

彩色されているパーツは、「スプレーワーク（吹き付け塗装）」と、「タンポ印刷」の２つの手法で彩色されています。パーツの形状や塗り分けに合わせて、彩色の手法を使い分けています。
半流形の前面パーツや、プレスタイプの側扉パーツなどでは、両方の手法を組み合わせて彩色しています。

どちらの手法も、基本的に１方向からの色付けになりますので、パーツの形状によっては回り込んだ部分などに色が着かない箇所ができてしまいます。

そこで、組み立ての前にこれらの箇所に色を差すことで、より完成度の高いモデルを組み立てることができます。

「ますこっとれいん」シリーズでは、ベンチレーターなどを含む屋上機器パーツ（FA，FB，FC）は、明るいグレー（やや白っぽいグレー）の成型色のままで彩色はされていません。
なお、これらのパーツの表側は、金型にマット加工を施してあるので艶が抑えられています。
（裏側は無加工なので、見比べてみると判ります。）

今回の作例では、この無塗装の屋上機器パーツには、缶スプレーを使って「ねずみ色１号」を吹き付け塗装してみました。
各パーツはゲート（周りのランナーとの接続部分）が「アンダーゲート」になっているので、切り離す前にランナーごと塗料を吹き付けて大丈夫です。
上方向からだけでなく、横から見える部分も忘れずに塗装します。

「ねずみ色１号」は、元の色と比べるとちょっと暗く感じるので、人によっては好みが分かれるかもしれません。
実車っぽく、明るいグレー（灰色９号など）で塗装しても良いと思います。

飯田線などに残った旧型国電では、屋上機器などは「やや白っぽいグレー」に見える車両が多く存在していました。
本来の機器の指定色は「ねずみ色１号」と思われますが、日光による退色・白化の影響があったのかもしれません。

「ますこっとれいん」では実車の雰囲気に合わせて、屋上機器などのパーツには「やや白っぽいグレー」の成型色を採用しています。
同様に、屋根の彩色も「ダークグレー」ではなく、キャンバス張り屋根の実車に見られた「茶色っぽいグレー」で塗装しています。

改修直後などを再現する場合には、屋上機器は「ねずみ色１号」、屋根色は「ダークグレー」で塗り直すと良いかもしれません。

床下や台車などのパーツも実車の雰囲気に合わせて、普通の「黒」ではなく「やや茶色っぽい黒」で成型しています。
なお、「ますこっとれいん」では、軟質パーツの材質には「ポリエチレン」（ＰＥで表示）を採用していますので、塗装にはやや不向きです。

※参考：Ｂトレインショーティーは、軟質パーツは「ナイロン」（ポリアミド樹脂＝ＰＡで表示）です。

「ぱーと１」の前面や側面などの車体の各パーツは、スカ色の車体に合わせて、クリーム色の成型色を使っています。
製品では、先に「クリーム色１号」を塗装して、後から「青１５号」を塗装していますが、作業工程の関係で一部に「青１５号」が回らない部分ができてしまいます。

「青１５号」を塗り足す場合は、もちろん鉄道模型用の塗料を使って、細筆などで色差しをするのが一番なのですが、これは、ちょっとしたコツ（技量）が必要な作業です。

そこで今回は、近似色のマーカータイプの道具を使って簡単に済ませる方法をご紹介します。

今回の作例で使ったのは、「ＧＵＮＤＡＭ　ＭＡＲＫＥＲ」の「リアルタッチブルー１」です。
染料インク・タイプで、「青１５号」より少し明るい色ですが、小さな面積に使うので色の差はほとんど判りません。
しかも、水性・拭き取りタイプなので、はみ出した時に乾く前ならば拭き取ることができます。

作例では、前面パーツ・裏側の縁、乗務員扉側から見える手すりの部分と、側面パーツの側扉・上下左右の開口部（立ち上がりの部分）、同じ側面パーツの妻板側・裏面になる、雨樋として見える部分を塗っています。

一方の「クリーム色１号」を塗り足す場合は、マーカータイプのもので適合する色は見当たらないので、鉄道模型用の塗料を細筆などで色差しします。
（やや色ズレしていますが、「ＰＯＳＣＡ」に近似色があります。詳細は「お役立ち情報・その�F」にて。

側扉パーツも、側面パーツなどと同様に塗り分けの彩色がされています。
やはり、「青１５号」の部分は扉の正面方向からしか塗られていないので、扉周囲の横から見える部分にも色差しをします。
方法は先の側面パーツなどと同じです。

さらに側扉�@では、プレス構造の溝部分に「青１５号」が端まで入っていない場合があります。今回の「ＧＵＮＤＡＭ　ＭＡＲＫＥＲ」の「リアルタッチブルー１」ならば、塗ったときに少しくらい溝からはみ出しても、綿棒などで拭き取ることができます。
拭き取る時に力を入れすぎないように注意してください。
また、側扉�@，�Aのどちらにもある、取っ手の部分も「青１５号」が抜けていたら色を差しておきます。

「ますこっとれいん」の側扉には「戸当たりゴム」の表現が付いています。
よく見ないと判らないくらい細い幅の段差なのですが、この部分にグレーで色差しをするとよりリアルになります。
慣れてる人ならば塗料を筆塗りで、慣れていない人は「GUNDAM　MARKER」のようなマーカータイプからグレー系の近似色を利用して色を差せば、簡単に「戸当たりゴム」を再現することができます。