「ＳＨＯＰねこまた」のメインページでもお知らせしている通り、取説に記載されている「パーツ一覧表」の、「胴受」パーツの表記に誤植がありました。大変、申し訳ございません。

一覧表の「胴受」の欄では、�@と記載されている場合は「胴受」パーツ�Aを使い、�Aと記載されている場合は「胴受」パーツ�@を使うように、それぞれを入れ替えて組み立ててください。

そもそも、この「胴受」パーツって何なのか？　�@と�Aは何が違うのか？
実車の説明も加えて、ちょっと、深みに片足を踏み入れて（ｗ）説明してみます。

「胴受」というのは、その名称の通り、連結器本体の「胴」部分を受けて（支えて）いる部品です。
連結器は線路の状態によって左右に首を振ることが出来るようになっていますが、支点だけでは支えきれないので、「胴受」が重量を支えています。「胴受」は横長の支柱となっており、連結器が左右に首を振るときは「胴受」の上を左右に滑ることができます。

「ますこっとれいん」では、この「胴受」と一緒に「栓受」の部分も一体のパーツになっています。
「胴受」の両側に、丸い蓋のような部品が付いていますが、これが「栓受」です。

「胴受」自体は左右対称の部品ですが、この一緒に付いている「栓受」の部分が「胴受」パーツ�@と�Aで異なっています。

この「栓受」の付いている数が、「胴受」パーツ�@では、「栓受」は向かって左側に１個、右側に２個。「胴受」パーツ�Aでは、「栓受」が向かって左側に２個、右側に１個、となっています。
「胴受」パーツ�@と�Aでは、ちょうど左右対称の形状になっています。

それでは、次は「栓受」の説明に移ります。

「栓受」は、車体前後の車体裾に設置されている、丸い蓋の付いた構造の機器です。ふたを開けると中にはソケット状の電極が収納されています。
電車を連結する際には、車両そのものの接続は連結器で行いますが、連結した車両を制御する電気信号を伝えるために電線＝「ジャンパ線」を接続しなければなりません。この「ジャンパ線」を接続するためのソケットが「栓受」（「線受」とも）です。
旧型国電のような古い車両では、制御用の「ジャンパ線」＋「栓受」は、芯数が少ないために２本分並べて設置されていました。

このジャンパ線は、連結する隣同士の車両ではなるべく短い距離で接続することが理想です。
そこで、連結をする車両はそれぞれに、片方の車両は連結器の右側に「栓受」を、向かい合う車両は連結器の左側に「栓受」を設置することで短い距離で接続ができるようになります。
さらに、全ての車両が同じ向きなるように設置してあれば、車両を入れ替えても連結・制御ができるようになります。

なので、１両の車体の前後では「栓受」の設置位置が左右対称になっているわけです。
ひとつの路線では、連結をする車両はすべて、「栓受」が同じ側に揃っている必要があるのです。

というわけで、飯田線を走る車両を見ると、豊橋方向を向いた時（車内からの視点）に左側となる側に制御用「栓受」が２個並んで設置されています。
つまり、豊橋向きの車両では、正面では向かって右側（車内から見たら左側）、妻板では向かって左側（車内から見たら右側）に「栓受」が２個並ぶわけです。
辰野向きの車両はその逆になります。

旧型国電のような古い車両は、製造するときに始めから「奇数向き」、「偶数向き」に分けて、「栓受」の向きが左右２種の車両を製造しています。これらの車両は「栓受」だけでなく、床下機器や屋上配管が「奇数向き」と「偶数向き」で左右逆に配置されています。

この「向き」は、東海道線を基準にして、東京（上り）を向く車両が「奇数向き」＝「奇数車」、大阪（下り）を向く車両が「偶数向き」＝「偶数車」と決められています。
飯田線の場合は、豊橋駅で東海道線と接しているので、こちらを基準に向きが揃えられています。
豊橋（上り）を向く車両が「奇数向き」＝「奇数車」、辰野（下り）を向く車両が「偶数向き」＝「偶数車」です。

中には例外もあり、「ぱーと１」の中では「クモハ５１０１５」が方転車（向きをひっくり返して運用している車両）です。
５１０１５＝奇数番号＝「奇数車」なのですが、辰野方向に向けて運用されていました。
この車両は、当初は奇数向きに製造されていましたが、飯田線で使用する際に向きを逆転、主要機器はそのままでジャンパ線などの設置位置を左右入れ替える改造を受けています。
本来、主電源を屋上から床下に引き入れる配管（母管＝太い配管が１本）側と制御用「栓受」は同じ側（向かって右側）になるのですが、「奇数車」なので妻板の配管が他の「偶数車」とは左右逆の位置になっています。

方転車は他にも居ますが、それは次のぱーと以降で・・・。

参考に、以下に車両の「向き」と呼称の規定と略図を記載しておきます。