国鉄が製造した冷蔵コンテナは、Ｒ１０形式，Ｒ１１形式，Ｒ１２形式，Ｒ１３形式の４形式（試作形式は除く）となります。
この内、Ｒ１１形式とＲ１２形式は、Ｒ１０形式の内装を用途別に変更したものであり、構造・外観はほぼ一緒です。

その国鉄冷蔵コンテナ・Ｒ１０形式は、１９６０年から１９７２年までの長期にわたって１，３４３個が製造されています。
ちなみにこの間、通常コンテナの方は１９６０年より６０００形式が製造開始、１９６６年からはＣ１０形式へ移行、さらに１９７１年にはＣ２０形式の製造が始まっています。
これだけ長期にわたって製造されていますから、Ｒ１０形式は荷役方式の変更やコンテナ本体の構造改良などで、製造年次（または用途別）による形状の差異が生じており、大きくは「前期」，「中期」，「後期」の３タイプに分かれます。

「こんてにゃあ・Ｒ１０形式」には、「初期タイプ」と「中期タイプ」。そしてその派生形式である「R１１（１２）形式」の「初期タイプ」と「後期タイプ」がセットされています。
「こんてにゃあ・Ｒ１３形式」には、「Ｒ１３形式」と一緒に「Ｒ１０形式・後期タイプ」がセットされていて、形状は同じですが標記違いでそれぞれ２種類ずつ入ります。

どちらの箱も、１箱で４通りの冷蔵コンテナを組み立てることができます。

先に記した通り、Ｒ１０形式，Ｒ１１形式（Ｒ１２形式）は外観がほぼ一緒ではありますが、一部にちょっとした差異があります。
製品を組み立てる時には、この差異を間違えないようにパーツを組み合わせてください。

側板には４種のパーツがあります。
まず形状の差異で、票受枠が１個で脚部が斜め形状のパーツ（S)と、票受枠が２個並びで脚部が四角いパーツ（１２S)があります。
さらに、それぞれ自重標記が、「１．４ｔ」と描かれたパーツと、「１．８ｔ」と描かれたパーツがあるので、全部で４通りのパーツということになります。

妻板の扉側のパーツには２種類あります。
これは、扉左右に並ぶヒンジの数の差異で、６個ヒンジのパーツ（F)と、４個ヒンジのパーツ（１２F)があります。

これらのパーツを形式・ロットごとに組み合わせて、４通りの冷蔵コンテナを組み立てます。
屋根パーツと妻板（扉無し側）パーツには差異はありません。

プラモデルを組み立てる人の中には、先にランナーからパーツをすべて切り離して、それから組み立てに入る人もいると思います。
もちろん、それでダメなわけではないのですが、今回の冷蔵コンテナではちょっと苦労するかもしれません。

今回のR１０形式，R１３形式でも、コンテナを並べたときにリアル感が出るように、地色を３色のカラーで塗分けています。
前回の黄緑色の通常コンテナでは、３色の差はわかりやすいコントラストがありましたが、今回の白いコンテナでは、地色の白色３色の差がかなり微妙です。
充分に明るい場所ならば差は判るのですが、蛍光灯や白熱灯などの差や照度によっては判断が付きにくい場合があります。

特に、今回はパーツバリエーションの関係で、ランナー２枚からコンテナを組み合わせることになりますので、同じ白色のランナーを組み合わせる必要があります。

そんなこともあろうかと（ｗ）、今回の冷蔵コンテナには、ランナーの端に「カラータグ」が付けてあります。
「Ａ」＝白，「Ｂ」＝ちょっと汚れた白，「Ｃ」＝ちょっと黄ばんだ白
になっていますので、見分ける際に参考にしてみてください。

今回も、前回のＣ１０形式，Ｃ１１形式と同様に、屋根パーツのランナーゲートは「アンダーゲート」方式にして、組立後にゲート切り口が見えないようになっています。

Ｒ１０形式・後期タイプ，Ｒ１３形式は、クレーン上吊り荷役に対応させるために、Ｃ１０形式などと同じ溶接方式で組み立てられたコンテナです。
製品の屋根パーツ（１３）も「アンダーゲート」ですが、C１０形式同様に屋根に厚みのある形状なので、切り取りやすいと思います。

それに対して、Ｒ１０形式の前期〜中期タイプでは、コンテナの各面をリベット固定している構造なので、側板の前後や屋根の四方に板の端がはみ出た構造をしています。
なので、R１０形式（前期・中期）の各パーツの端面は、はみ出た板状の部分が薄く見えるように裏側を斜めの形状にしてあります。

各パーツとも、斜め部分にゲートは付けないようにしていますが、Ｒ１０形式（前期・中期）の屋根パーツ（１０）だけは四方とも斜めになっていますので仕方なく、この斜めになった部分にゲートを付けています。
このゲート部分も、屋根厚を避けた「アンダーゲート」になっていますので、ゲートを切り取る際には屋根板の端面を傷つけないように注意してください。

ニッパーなどで一気に切らずに、ゲート部分を少し残してカットし、薄板の端面を傷つけないようにゲート跡を成形してください。
屋根パーツ裏側の周囲には、薄板の厚みが判るように、ほんの少し段差を付けてありますので目安にしてください。

アンダーゲートではないのですが、R１３形式の方も一部、パーツ切り取りにちょっと注意部分があります。

先に記した通り、Ｒ１０形式・後期タイプ，Ｒ１３形式は、溶接方式で組み立てられた構造ですが、側面，妻板にプレス補強が入ったC１０形式，C１１形式とは異なり、外板の内側に断熱材があるためプレス補強は付けられません。
代わりに、周囲の外板表面に８角形（妻扉面は４角形）の板を貼り合わせて補強をしています。そのため本体周囲（＝屋根周囲）のサイズよりも補強の板厚分だけ外にはみ出した構造になります。
つまり、コンテナ組み上げた時に側板パーツと妻板パーツは、この板を貼った分だけ屋根パーツよりもはみ出て見えるわけです。

そこで、Ｒ１０形式・後期タイプ，Ｒ１３形式の側板パーツ（１０S，１３S)と妻板パーツ（１３R)では、屋根と接合する面にあるゲートは、上記の板厚分だけ段差を付けて内側にあります。
ゲートカットの際には、その段差分よりも外側部分の塗装を傷つけないように注意してください。
この部分の塗装を傷つけてしまうと、組み立て後にその傷が見えてしまいます。

一応、成形色を白色（純白ではなく、少し明度を抑えています）にして、多少ゲート傷があっても目立たないようにしてあります。