こちらに記載された内容は、製造メーカー（トミーテック）様より公式に推奨するものではございません。

加工・改造の手順を記載していますが、加工方法や走行環境などの諸条件により、必ずしも結果が一致するわけではありません。
また一部に、工具等を使った上級者向け工作も含まれていますので、実施はユーザー様自身の技量と判断に合わせて行っていただきますようお願いいたします。

「ますこっとれいん」は「ＫＡＴＯ」の製品と互換する仕様ですし、それならば、「ますこっとれいん」と一部互換のある「鉄コレポケット」にも、「小形車両用動力ユニット」が装着できないのか？と、気になることと思います。
先に結論を言ってしまうと、間に「ますこっとれいん」のパーツが仲介に入らないので、「鉄コレポケット」と「小形車両用動力ユニット」の直接の互換は出来ません。

ただし、ちょっとの加工で「鉄コレポケット」に「小形車両用動力ユニット」を装着することが可能ですので、その方法を紹介しておきます。

「鉄コレポケット」を組むと判りますが、車体の構成はガラス＋妻板＋側板の６パーツでしっかり勘合するようになっています。
「ますこっとれいん」のような車体保持の為の「ブロック」パーツがありませんので、車体内部は「ますこっとれいん」よりも広いスペースが確保されています。
これならば、たいていの動力なら入れることが可能と思われ、むしろ、問題は中に入る動力ユニットをどのようにして、正しい位置に固定するかということになります。

実際に、「鉄コレポケット」車内にＫＡＴＯの「小形車両用動力ユニット」を入れてみると、すっぽり入りますが、途中で引っ掛かってそれより奥には入りません。
ちょうど、ガラスパーツには「フレーム（Ｓ１）」のストッパー用突起が付いているため、ここに「小形車両用動力ユニット」のカバーが当たってしまい、それ以上は中に入り込まなくなっています。
なお、車体の前後方向には引っかかるものが何も無いため、動力ユニットは、前後方向にはまったく固定がされません。

「ぱっと見」では、このまま固定してしまえばＯＫと思うかもしれませんが、この状態で車体高を比較すると、元の「鉄コレポケット」からは０．７ｍｍほど車体が高くなっています。ちょっと差が大きいですよね。
そこで、「高さの調節」と「前後方向の位置固定」を兼ねて、「小形車両用動力ユニット」のカバー部分をちょっとだけ削る加工をします。

「鉄コレポケット」のガラスパーツの突起の位置に合わせて、「小形車両用動力ユニット」のカバー部分の４隅を削るのですが、ここで注意点が２つあります。

まず１つ目は、「削る深さは０．７ｍｍでなく、０．４ｍｍ」ということです。

これは、「お役立ち情報・その�@」の床板装着の項で記した通り、「鉄コレポケット」＋「ますこっとれいん・床板」＋「ＫＡＴＯ・台車」の場合では、ＫＡＴＯ基準に替わったため、車体高さが０．３ｍｍほど高くなっています。このトレーラー車に揃えるのならば、「カバー部分を削る深さは０．４ｍｍ」で良いわけです。

２つ目は、「カバー部分を削る長さは、前後で１ｍｍだけ異なっている」ということです。

実は、「小形車両用動力ユニット」は前後対称のように見えますが、カプラーの長さが前後で異なっています。
この動力ユニットでは、片方の台車だけに駆動部が入る「片台車駆動方式」ですが、この駆動台車側は、台車内部にギア等が入っているためにカプラーポケットの位置が１ｍｍ外側へ長くなっています。
このため、車体前後のカプラーの長さを同じにするために、動力ユニット本体を車体中心から０．５ｍｍずらして装着する必要があるのです。
（※「Ｂトレインショーティー」では、そのまま動力ユニットの隣だけ、連結間隔が広いままでした。）

実際には、カバー部分を削る長さは「動力台車側は２．５ｍｍ」になり、「付随台車側は３．５ｍｍ」となります。削る幅は約１ｍｍほど。
この範囲でカバー部分を削っておけば、ちょうど「鉄コレポケット」のガラスパーツの突起がはまり込み、車体高の調節と同時に前後方向の位置固定にもなります。

なお、「鉄コレポケット」＋「ますこっとれいん・床板」＋「ＫＡＴＯ・台車」のトレーラー車と、「小形車両用動力ユニット」の、カプラー間の長さは一致していますので、曲線走行の条件などはトレーラー車と変わりません。

この状態で、動力ユニットを両面テープやゴム系接着剤を使って固定すれば、「鉄コレポケット」に「小形車両用動力ユニット」の装着ができるわけですが、もう少し加工を進めておけば、「鉄コレポケット」へ「小形車両用動力ユニット」を勘合による装着ができるほか、「鉄コレポケット」付属のドローバー方式に対応させることも可能になります。

「小形車両用動力ユニット」の前後に、「鉄コレポケット」付属の「フレーム（Ｓ１）」を組み合わせておくと、車体への装着がしっかり勘合するようになり、トレーラー車と動力ユニットの下回りを簡単に入れ替えることも可能になります。
また、急曲線対応するために、「鉄コレポケット」付属のドローバー方式に変更することも簡単に出来るようになります。

「小形車両用動力ユニット」の追加工は、まず、床板の前後をカットします。
カットする位置は、前後にある四角い穴部分になりますが、動力台車側は「床板端から５．５ｍｍ」、付随台車側は「床板端から６．５ｍｍ」（ユニットのカバー部分の際まで）をカットします。

「フレーム（Ｓ１）」パーツは前後の部分を切り取って使いますが、一方は「端部から１５．５ｍｍ」、もう一方は「端部から１４．５ｍｍ」の位置でカットします。
カットした「フレーム（Ｓ１）」パーツは、下面のリブ（内側のみ）を削り取っておきます。これは、動力ユニットの集電板との干渉を避けるためです。同じ下面のリブでも、外側のものは削らずに残しておいてください。
さらに１４．５ｍｍの短い方は、動力ユニットのカバーと当たる部分があるので、上部の縁を切り取っておいてください。

こうして出来た「フレーム（Ｓ１）」の前後部分を、「小形車両用動力ユニット」の隙間に差し込んで固定します。
長い「１５．５ｍｍの方は動力台車側」に、短い「１４．５ｍｍの方は非動力台車側」に接続します。
一応、接着剤は使わずに保持できますが、不安な方は接着剤を併用してください。

これで、「小形車両用動力ユニット」を、「鉄コレポケット」の車体に勘合ではめ込むことができます。
先に前項の、動力ユニットカバー部分の４隅を削る」加工を済ませておかないと、「フレーム（Ｓ１）」部分と車体側（ガラスパーツ）のツメが掛からないので注意してください。

連結間隔を広く取るために、連結をドローバー方式に変更したい場合は、「フレーム（Ｓ１）」部分にそのまま「ドローバー受け（Ｓ１２）」を取り付けることができますので、簡単に変更ができます。
また、メーカー公式からはどの品番が適合するのか？記載はありませんが、「ＴＮカプラー」の装着も可能になります。
どちらの場合でも、取り付けた台車のカプラーは不要となりますので、カプラーポケット部から切り取って対応してください。

ここまでに、「鉄コレポケット」と「ますこっとれいん」では、床板パーツに互換があり、
「鉄コレポケット」＋「ますこっとれいん・床板」＋「ＫＡＴＯ・台車」でトレーラー車のボギー車化が可能なこと、
ＫＡＴＯの「小形車両用動力ユニット」は、多少の加工を施すことで「鉄コレポケット」に直接装着が可能になること、を記述しました。

それでは、「鉄コレポケット」と「Ｂトレインショーティー」との互換はあるのでしょうか？
その答えは残念ながら、まったく「互換していません」となります。

一見すると、「ますこっとれいん」と「Ｂトレインショーティー」の床板構造は似ているので、ちょっとの加工で「鉄コレポケット」に装着できるように思えます。
実際に「ＳＨＧシャーシ」の床板ならば、前後の長さカット、取り付けツメのカット、「フレーム（Ｓ１）」の中央部の４本の棒を避ける加工をし、さらに床板上部にあるリブの一部を削り取ることをすれば、「鉄コレポケット」に装着（「フレーム（Ｓ１）」に固定する）が可能ではあります。

しかし、ちょっとした差ですが「大きな違い」なのが、両者の台車中心間（センターピン間）の距離の違いです。
「ますこっとれいん」では、「台車中心間は２９ｍｍ」ありますが、「Ｂトレインショーティー」では、「台車中心間は２８ｍｍ」になります。
たった１ｍｍではありますが、「お役立ち情報・その�@」の急曲線の検証の項で記した通り、ここで記述した条件よりも、連結間隔がさらに１ｍｍ縮むことになりますので、これでは走行できる環境（曲線）がさらに制限されてしまうことが判ると思います。

連結間隔を広く取るためには、連結方法を「鉄コレポケット」付属のドローバー方式に変更したり、「ＴＮカプラー」の装着、または台車やカプラーの追加工が必須になりますので、実施する際にはユーザー様自身の技量に合わせて行うようにしてください。

いよいよ、第１弾が発売となった「鉄コレポケット」ですが、早くも第２弾、第３弾がアナウンスされています。
初期段階では、汎用性の高い車種を中心に販売ベースを固めて、徐々に特別な車種に手を広げていくみたいです。

今後も、様々な車種が発売されていくことと思われますが、車種によっては、ここに記述した内容では対処できない車輛も登場するかもしれません。また、「鉄コレポケット」専用の「ボギー車用・トレーラーセット」や「ボギー車用・動力セット」が別途発売されるかもしれません。